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参考図書の紹介ページです。
白バラを主題にしたものは白バラに集めました。白バラの背景となるキリスト教についてはキリスト教に、第一次〜第二次大戦のドイツについてのものはドイツ(近代)史に集めました。これら三種類に当てはまらないけれど、白バラのために読んだ本などをその他に、そして第二次大戦前後のヨーロッパを描いた映画を視聴覚資料として映画にまとめました。
白バラ キリスト教 ドイツ(近代)史
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白バラ (タイトル/著者/訳者/出版社/年)


白バラは散らず
/インゲ・ショル/内垣啓一/未來社/1964
ハンス、ゾフィーの実姉インゲが語る「白バラ」。ビラ第1号〜6号収録。

しかし、あの人たちは英雄と呼ばれるべきだったのでしょうか? あの人たちは何も超人的なことを企てたのではないのです。ただある単純なことを守ったにすぎない、ある単純なこと、つまり個人の権利と自由、各人の自由な個性の発達と自由な生活への権利とを、背負って立ったにすぎないのです。彼らは異常な理念に身を奉げたのでもなく、偉大な目標を追ったのでもありません。彼らが欲したことはみんなが、わたしもあなたも、人間的な世界に生きうるということだったのです。(生い立ち)


白バラ抵抗運動の記録 処刑される学生たち/C・ペトリ/関 楠生/未來社/1971
遺族、友人へのインタヴュー、未公刊資料多数。ビラ第1号〜6号収録。

五人とも、家庭では束縛されることなく自由をたのしみ、五人とも、持って生まれた芸術的な素質を生かすことができた。ショル兄妹、プロープスト、シュモレル、グラーフが仲よくなったとき、この五人が次の点で完全に一致していたことは、生きのこった友人たちが口をそろえて証言しているところである。すなわち、人格的、個人的な自由を――それが芸術的関心と結びついている場合にはとりわけ――最高の価値と考え、ナチズムをその最悪の敵とみなさなければならないとする点で、五人の意見は一致していたのである。しかし、みんなが「人格は人間の最高の幸福である」という認識から出発して、ナチズムに反対する態度をとっていたからといって、この五人の学生たちが、多くの点で相違するところがあったことを見逃してはならない。(第一章 ミュンヘン大学生の青春)


権力と良心 ヴィリー・グラーフと「白バラ」/クラウス・フィールハーバー他編/中井昌夫・佐藤健生/未來社/1973
ヴィリーの日記と書簡。

そしてついに1月13日の日記には、「石が転がりだした」とある。ハンス・ショルが、その推進力だったことは確かである。行動へ向けての強いイニシアティヴをとったのは、彼とアレックス・シュモレルだった。ヴィリーは、すでに何年か前から心の武装をなしとげ、行動への準備はできていたというものの、この抵抗運動にちゅうちょなく身を投ずるためには、なおひと押しを要したのである。いちばん物静かで細心だった彼は、ザールラント、ラインラント、およびフライブルクの広範で多岐にわたった彼の友人サークルに働きかけ、これを同志にするという課題をうけもった。彼は、そこでパンフレットを広めた。彼は、この冒険旅行にさいして、それらを小さな黒いトランクに入れ、商品であるかのように携行していったのである。(第一章 ヴィリー・グラーフ ひとつの伝記)


ゾフィー21歳 ヒトラーに抗した白いバラ/ヘルマン・フィンケ/若林ひとみ/草風館/1982
姉インゲへのインタヴューをもとに、ゾフィーの生い立ちからまとめた本。原題『ゾフィー・ショルの短い生涯』。(2006年2月発行の新版『ゾフィー21歳』は今後増刷を行なわず絶版となるそうです。)

もし彼らが、外であばれ回る野犬に目をつむり、誰かが野犬を追い払ってくれるのを家の中でじっと待っていたならば、今、それぞれに充実した人生を送っていたことであろう。しかし彼らにはそれができなかった。良心のやましさに耐えかね、彼らはあえて狂った野犬の群れに、果敢に向かって行ったのである。彼らの抵抗運動は、恐らくは素人のそれであったろう。実際、彼らの行動を事細かに分析した批判的な論考も見られるのだが、しかし、あとからひとのやったことをどうこう言うことはやさしいことである。とにかく彼らは、自分たちにできることを精一杯やったのである。(訳者あとがき)


白バラの声 ショル兄妹の手紙/インゲ・イェンス編/山下公子/新曜社/1985
ハンス、ゾフィーの日記と書簡。

今のこの時代は世の終わりだと思っている人がたくさんいる。たしかにこれほどひどい徴候が重なっては、そう思いたくもなる。しかし、そんなことは大して意味のないことではあるまいか? すべての人間は、どのような時代に生きていようと、つねに、次の瞬間には神に召されて、何をやってきたかを問われるかもしれないのではないか。私は、たとえば明日の朝自分がまだ生きているかどうかどうしてわかろう。もしかしたら今夜爆撃があって、私たちみんな死んでしまうかもしれない。そうなったとしても、あるいは私が大地や星々とともに滅びたとしても、私の罪が軽くなるというものではない。――そんなことはみなわかっている。わかっているにもかかわらず、私たちはただ軽薄に生きてしまっているのではないか?(ゾフィー・ショルの日記: 1942年8月9日)


白バラが紅く散るとき ヒトラーに抗したゾフィー21歳ヘルマン・フィンケ/若林ひとみ/講談社/1986
『ゾフィー21歳』の初版発行時、トラブルから翻訳者本人がすぐに絶版とし、4年後、講談社文庫から同じ作品をタイトル変更して出版したもの。訳者の若林ひとみさんはこの講談社版の方を自身の作品としていたそうです。

私たちは例外的にハンスとゾフィーを埋葬することを許されました。当局も、まだ世間体を保とうとしていたのです。埋葬は午後遅くに行われました。私たちが墓地を出るときにはもう日も沈みかけていました。みんなが黙っているなかで、母が、「さあ、何か食べなくちゃ」と言いました。母はまるで、自分は生きている子どもたちのめんどうもみなくちゃいけないのよ、と言っているみたいでした。トラウテ・ラフレンツも来ていて、私たちは一緒にレストランに入りました。母は肉の食料切符を持っていて――何日分、いえ何週間分の切符をとっておいたものやら、私にはわかりません――ボリュームのある食事を注文しました。母は、ゾフィーの遺志を守っていたのだと思います。「お母さんもね」とゾフィーが刑務所で半ば命じるように言ったこと、この生の肯定は、どんなにつらい状況の中でも生きていたのです。(第五章 生きのびること、生き続けること)


ミュンヒェンの白いばら ヒトラーに抗した若者たち/山下公子/筑摩書房/1988
翻訳本ではないので、日本人にわかりやすく時代背景(ナチス政権掌握から)、キリスト教についてから始まります。

1943年、クリスマス休暇が終わって、大学に白バラの友人達が戻って来た時、彼等は恐らく、自分達の活動が、夏以前とは異なった性質のものになっていると感じていたであろうし、また、異なった性質のものにしていかなければならないと考えていたであろう。新たなビラを作るにあたっては、ハルナックの、「具体的に、わかり易く」という忠告が考慮された。アレクサンダー・シュモレルとハンス・ショルの二人が各々ビラの原案を作り、それをフーバー教授に見せて(フーバーの証言によれば「読み上げて」)どちらがよいのか判断を仰いだという。フーバーはハンスの草稿を選んだ。これは、自分達より年長の、人の心を掻き立てる生き生きとした講義をするフーバーに、自分達の使うべき文体を示唆してもらおうと考えてのことだったと思われる。(第五章 ドイツ抵抗運動)


「白バラ」 反ナチ抵抗運動の学生たち/関 楠生/清水書院/1995
センチュリーブックスの「人と思想」シリーズ。高校生、大学生を対象にした本です。ショル兄妹に偏らず、主要メンバーとされる6人全ての生い立ちから書かれています。

パッシヴな抵抗を訴えるビラの配布によって反ナチ、反ヒトラーの実際活動に入った、ハンス・ショルとアレクサンダー・シュモレルを中心とするいわゆる<白バラ>グループの人たちは、どのような育ちかたをしたのか。一元化の時代、すなわち強大な権力によってナチ一色に塗りつぶされたかに見えるドイツ、第三帝国にあって、しかもまだ大学生という身分にありながら、どうして危険きわまる抵抗運動にふみ切ったのか。その点を彼らの生い立ちに探ってみたい。(第一章 抵抗運動の学生たち)


白バラを生きる ナチに抗った七人の生涯/M・C・シュナイダー、W・ズュース/浅見昇吾/未知谷/1995
彼らの死から50年後の1993年にドイツで出版された本。「最新の研究成果を利用すると共に、新資料を発掘」した「大変興味深い伝記の書であると同時に、優れた研究書」。

手さぐりでゆっくりとではあるが、志を同じくする人の輪が広がって行った。ここでいう同じ志とは、必ずしも活動を関知していたということを意味しない。ましてや、ビラ作成に纏わる裏の事情すべてに通じていた、という意味ではない。1942年の初夏には「白バラ」の周辺には10人から12人の人間がいた。しかし彼らの中には、アレクサンダー・シュモレールおよびハンス・ショルという「白バラ」の中核メンバーと近しい人もいれば、そうでない人もいた。したがって、この時期に一致団結した抵抗グループ「白バラ」について語るとしたら、多くの問題を孕んでしまうことになる。執筆者自身を除けば、当初この活動について承知しているのはごく僅かで、ハンスやアレクサンダーは家族にすら沈黙を守った。読書会に参加していた年長者は、学生達の精神的な発展にとっては非常に重要であったが、彼らとてビラ作成の詳しい事情については知らされていなかったのである。(第三章「頭の中だけでなく、行動で信条を示す」 抵抗の基盤の広がり)


白バラの祈り ゾフィー・ショル、最期の日々〔オリジナル・シナリオ〕/フレート・ブライナースドルファー/瀬川裕司・渡辺徳美訳/未來社/2006
原著のうち、オリジナル・シナリオと、監督マルク・ローテムントおよびブライナースドルファーによる映画成立の記録「真実からのインスピレーション」からなる第四章の邦訳。収められたシナリオは撮影前に準備されていたオリジナルであり、時間超過のため映画公開時に割愛された場面が含まれており、また、日本公開時に字幕の字数制限により簡略化せざるをえなかった部分もすべて訳出されている。


「白バラ」尋問調書 『白バラの祈り』資料集/フレート・ブライナースドルファー/石田勇治・田中美由紀訳/未來社/2007
原著のうち、「白バラ」のビラ、ビラの草稿、「白バラ」に関する論説、「白バラ」主要メンバーと関係者のバイオグラフィー、「白バラ」メンバーの尋問調書からなる「資料篇」の邦訳。


「白バラ」忘れない 反戦ビラの過去と今と/早乙女勝元/草の根出版会/2009
「母と子で見る」シリーズA50。著者が1983年夏にミュンヘンで行った取材をまとめたもの。エリーザベト・ショル、フリッツ・ハルトナーゲルのインタビューあり。



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