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映画(邦題アイウエオ順)

『白バラの祈り― ゾフィー・ショル、最期の日々』

愛と哀しみのボレロ(仏1981)
アップライジング(米2001)
アンナとロッテ(オランダ、ルクセンブルク2002)
アンネ・フランク(米2001)
カティンの森
暗い日曜日(独・ハンガリー1999)
さよなら子供たち(仏・西独1987)
死刑執行人もまた死す(米1943)
スウィング・キッズ(米1993)
聖なる嘘つき(米1999)
戦場のピアニスト(ポーランド・仏2002)
ソフィーの選択(米1981)
太陽の雫(加・ハンガリー1999)
地下水道(ポーランド1956)
灰とダイヤモンド(ポーランド1958)
バティニョールおじさん(仏2002)
遥かなる帰郷(伊・独・仏・スイス1996)
ヒトラーの贋札
ふたりのトスカーナ(伊2000)
ベント(英1997)
謀議 CONSPIRACY(英・米2001)
マイ・リトル・ガーデン(独・英・デンマーク1997)
ライフ・イズ・ビューティフル(伊1998)
ルシアンの青春(仏・伊・西独1973)




愛と哀しみのボレロ /監督・脚本:クロード・ルルーシュ/出演:ロベール・オッセン、ジョルジュ・ドン/仏1981/185分
第二次世界大戦から1980年までのパリ、NY、ベルリン、モスクワの4組の男女とその子供たちの運命を追った物語。生まれたばかりの息子の命を守るため、強制収容所への移送途中に線路に置き去りにしたユダヤ人女性、戦前ナチス高官(ヒトラー?)の前で演奏し絶賛されたため戦後非難を浴び、活動の場を奪われる音楽家など、同じ時代を別々の場所で生きてきた4組の家族が、1980年パリで開かれたユニセフ主催のチャリティー・イベントに指揮者、ダンサー、音楽家、報道関係者など、それぞれの立場から集まってくる。

(映画のラストでジョルジュ・ドンが踊る「ボレロ」が特に有名です。4組のエピソードにはそれぞれカラヤン、ヌレエフらをモデルにしていると言われています。)




アップライジング /監督・脚本:ジョン・アブネット/出演:リリー・ソビエスキー、ハンク・アザリア、デイヴィッド・シュワイマー/米2001/159分
ドイツのポーランド侵攻以来、ワルシャワのユダヤ人たちはゲットーに押し込まれ自由を奪われる。ユダヤ評議会はナチス司政官に最大限譲歩し、協力を求めるレジスタンスグループを拒絶するが、ナチス側の不当な要求、裏切りの連続に、議長チェルニアコフは服毒自殺。殺されるのを待つのではなく、武装して戦うことを選んだ人々は地下活動を本格化させていく。

(1939年のポーランド侵攻、1942年7月22日から始まったトレブリンカへの移送、1943年1月18日の蜂起、4月19日のナチスによる総攻撃など、細かく時間を追っていてドキュメンタリーのような印象も受ける作品。移送命令にサインせず自殺したユダヤ評議会の長、チェルニアコフをドナルド・サザーランドが演じています。コルチャック先生と子どもたちの話もあり、蜂起の様子は確かに激しいのですが、けっこうしっかりした「ドラマ」だと思います。私が行ったレンタル店では「戦争/アクション」の棚に入ってましたけど。)



アンナとロッテ /監督:ベン・ソムボハールト/脚本:マリーケ・ファン・デル・ポル/出演:テクラ・ルーテン、エレン・フォーヘル、ナディヤ・ウール、フドゥルン・オクラス/オランダ、ルクセンブルク2002/137分
1926年ドイツ。幼い双子の姉妹アンナとロッテは両親の死により、アンナはドイツの貧しい農家に、ロッテはオランダの裕福な家庭にそれぞれ引き取られる。養父母らの思惑により二人は手紙のやり取りもできず、互いを想いあいながらもどこで暮らしているかすら知らずに成長した。ある日、アンナが引き取られた先を知ったロッテは、ついに彼女の所在をつきとめ、ナチスが勢力を持ち始めたドイツで再会する。オランダで一緒に暮らすことをすすめるロッテだったが、アンナはドイツに残ること選ぶ。手紙を書くこと、近い将来の再会を約束する二人。しかし別れ際、自分の婚約者の写真を見たアンナがもらした一言から、ロッテは二人の間に埋めようのない溝を感じる。

(原作はオランダの小説、テッサ・デ・ロー『アンナとロッテ』戸谷美保子 訳/日本テレビ放送網/2004。)




アンネ・フランク /監督:ロバート・ドーンヘルム/出演:ハナ・テイラー・ゴードン、ベン・キングズレー、ジェシカ・マンレイ、ブレンダ・ブレシン/米2001/191分
「アンネの日記」で知られるアンネ・フランクの生涯。ナチス占領下のオランダ・アムステルダム。ユダヤ人は次第に生活圏を狭められ、あらゆる権利を奪われた暮らしを強いられていた。1942年7月、長女マルゴーに収容所移送のための出頭命令が来たため、父オットーは事務所の屋根裏へ家族全員で移り住み潜伏する計画を娘たちに告げ、実行に移す。

(『アンネの伝記』(メリッサ・ミュラー著/畔上司訳/文春文庫)をベースにした米TVドラマ。ABCテレビで放送され2001年にエミー賞を受賞。1944年8月の、逮捕・移送後の収容所でのエピソードもフィクションではなく、友人、知人の証言から描かれています。)




カティンの森  /監督:アンジェイ・ワイダ/出演:マヤ・オスタシェフスカ、アルトゥル・ジミイェフスキ/ポーランド2007/123分
1939年9月17日、ドイツ軍に西から追われる人々と、ソ連軍に東から追われた人々が、ポーランド東部ブク川の橋の上で出くわした。前者のなかには、クラクフから夫のアンジェイ大尉を探しにきたアンナと娘のニカ、後者には大将夫人ルジャがいた。アンナとニカは川むこうの野戦病院へ、大将夫人はクラクフへ向かう。アンジェイや友人のイェジら将校たちは、ソ連軍の捕虜になっていた。妻と娘の目の前で、彼らは軍用列車に乗せられ、東へと運ばれてゆく。アンジェイは、目撃したすべてを手帳に書きとめようと心に決める。(公式サイトより)

(第2次世界大戦中にソ連の捕虜となったポーランド軍将校らがスモレンスクの近郊にある森で銃殺された、カティン(カチン)の森事件を描いた作品。ワイダ監督の父親もポーランド軍人でこの事件の犠牲者でした。2008年アカデミー賞外国語映画賞ノミネート作品、2008年ベルリン国際映画祭出品作。)




暗い日曜日 /監督、脚本:ロルフ・シューベル/出演:ヨアヒム・クロース、エリカ・マロジャーン、ステファノ・ディオニジ/独・ハンガリー1999/110分
1930年代のブダペスト。恋人イロナと新しくレストランを開いたラズロは専属のピアニストを募集。テストを受けに来たアンドラーシュのピアノをイロナが気に入ったため、ラズロは彼を雇うことにする。やがてアンドラーシュがイロナを愛するようになり、彼女がそれに応えた時から、愛情と友情で結ばれた不思議な三角関係が始まる。アンドラーシュはイロナの誕生日に自作の曲「暗い日曜日」を贈り、ラズロはその美しい曲のレコード化を実現させる。料理とラズロの采配、そしてアンドラーシュの弾く「暗い日曜日」により、店はさらに繁盛する。しかし、世界的大ヒットの影で、この曲を聴きながら自殺する者が増え始め、「死を呼ぶ曲」として有名になってしまう。

(時代はナチスによるオーストリア併合あたりから終戦、そして現代。あらすじには書きませんでしたが、かつての常連客で友人、そしてナチス指導者として再びハンガリーにやって来たドイツ人ハンスが重要な登場人物。なのですが、そこまで書くと長くなってしまうので。)




さよなら子供たち /監督・脚本:ルイ・マル/出演:ガスパー・マネス、ラファエル・フェジョー/仏・西独1987/103分
ルイ・マルの自伝的映画。ドイツ占領下のフランス、1944年1月。ブルジョワ家庭の子供ジュリアンはパリの両親と別れてカルメル会修道院の寄宿学校で勉強していた。ある日、校長のジャン神父に連れられ三人の少年が転入してきた。同じクラスになったジャン・ボネは成績優秀で音楽の才能もある。しかしどこか影のある彼のことがジュリアンは気になり始める。ボネがミサで聖体拝領しないこと、夜中にベッドで蝋燭を灯し何かのお祈りをしていること、ドイツ兵をひどく恐れていること。ジュリアンはボネが名前と宗教を偽って隠れるユダヤ人であることに気づく。

(校長もボネも、監督ルイ・マルが子供時代に出会った人たちがモデルになっています。私にとって印象深かったのが、皆がチャップリンの映画「移民」を観ているシーン。子供たちも厳格な神父も後に密告者となる人物も、全員が笑っている。そして移民船が港に近づき自由の女神が見えて来た時のボネの一瞬の表情。ぼんやりと遠くに「自由の国」を見るボネ。ラストのジュリアンの表情よりこちらの方がずっと痛々しかったです。)
memo
・授業中、外からドイツ兵が「告解をしたいのですが」と教師(神父)に礼儀正しく頼むシーン。他にも「俺たちババリア(バイエルン)人はカトリックだ」とジュリアンたちに言う兵士も。告解とはカトリックの秘蹟のひとつ。
・ユダヤ人生徒が隠れていないか探すドイツ兵が、ジュリアンにズボンを下ろすよう命じるシーン。ユダヤ人男子は生後間もなく割礼という宗教上の儀式(性器の表皮を一部切り取る)を受けるので、このドイツ兵はその傷跡がないかどうか調べている。


死刑執行人もまた死す /監督:フリッツ・ラング/脚本:ベルトルト・ブレヒト、F・ラング、ジョン・ウェクスリー/出演:ブライアン・ドンレビィ、ウォルター・ブレナン、アンナ・リー/米1943/120分
1942年、ナチス高官ハイドリヒがプラハで何者かに狙撃された。マーシャは偶然狙撃犯の男を助けてしまったことからゲシュタポに監視される。犯人は捕まらず、疑いをかけられた者すべてが逮捕され真犯人が捕まるまで毎日数人ずつ処刑されることになった。男は自首を考えるが抵抗組織を守ろうとする仲間に止められてしまう。父親が連行され、処刑されることになったマーシャは、犯人が捕まれば父親や多くの市民を開放すると言うゲシュタポの言葉に望みをかけ男に会いに行く。

(はじめに出てきたハイドリヒがむちゃくちゃで、コメディ映画なのかと思ってしまいました。そのシーン以外は、レジスタンス側と事件に巻き込まれた女性が追い詰められていくところなど、サスペンス映画としてとても面白かったです。ハイドリヒ暗殺の翌年製作っていうのもすごい。だから暗殺の状況が実際と違っていたのかな?)



スウィング・キッズ /監督:トーマス・カーター/脚本:ジョナサン・マーク・フェルドマン/出演:ロバート・ショーン・レナード、クリスチャン・ベール/米1993/113分
1939年港町ハンブルク。ピーター、トーマス、アーヴィッドはアメリカ音楽(ジャズ、スウィング)に影響を受けたスウィング・キッズ。ナチスは「下等な」黒人の音楽であるとして禁止するが、少年たちは毎夜カフェで踊り、パトロールが来ると音楽を無難なものに切り替え、やり過ごしている。ある事件をきっかけに、ヒトラー・ユーゲントに入らねばならなくなったピーターにつきあい、トーマスもまたユーゲントに入団。しかし天才的なジャズ・ギタリストであり、また足に障害のあるアーヴィッドがユーゲントの少年たちにリンチを受けた頃から三人の道は離れていく。

(「スウィング青年」たちはハンブルク以外の大都市にもいました。ナチス側からは、他の反抗する青年たちとは違い、自分たちからケンカなどをしかけたりはせず、音楽やダンスを楽しむ、政治には無関心な「堕落した生活を送る青年たち」と捉えられていたようです。英米とかかわりの深かった港町ハンブルクの「スウィング青年」は特に有名で、その影響は裕福な家庭の子供たちだけでなく、小ブルジョワ家庭や労働者家庭の子供たちにも広まり、ゲシュタポ内には「スウィング青年」専門の担当官も置かれていた程だったそうです。)



聖なる嘘つき /監督:ピーター・カソヴィッツ/脚本:P・カソヴィッツ、ディディア・ディコイン/出演:ロビン・ウィリアムズ、アーミン・ミューラー・スタール、リーヴ・シュライバー/米1999年/119分
1944年冬。ポーランドのユダヤ人居住区ゲットーに暮らすジェイコブは、ある日夜間の外出を咎められゲシュタポに捕らえられるが、そこで偶然聞いたドイツ軍のラジオ放送から、ソ連軍が街から400キロまで来ていることを知る。なんとか逃げ帰ったジェイコブは、絶望し自殺しかけていた友達にその事実を伝え、耐えるよう励ます。しかしすぐに人から人へ「ジェイコブがラジオを持っている」という噂が広まってしまう。ゲシュタポに知られれば殺されてしまう危険な噂をジェイコブは否定せず、ソ連軍による解放を信じ込ませ、生きる希望を持たせる。

(1974年の東独映画『嘘つきヤコブ』のリメイク?になるそうで。またその原作(読んでません)の『ほらふきヤーコプ』(J・ベッカー/山根宏 訳/同学社/1995)も、もともとは東独のTV局のドラマ用に書かれた脚本だったとか。)



戦場のピアニスト /監督:ロマン・ポランスキー/脚本:ロナルド・ハーウッド/出演:エイドリアン・ブロディ、エミリア・フォックス/ポーランド・仏2002年/149分
ワルシャワのラジオ局で働くピアニストのウワディク・シュピルマン。ユダヤ人であった彼はドイツのポーランド侵攻によりに生活の場を追われ、ワルシャワ市内につくられたゲットーへ家族とともに強制移住させられる。ゲットー内でも抵抗運動などにはかかわらず、カフェでピアニストとして働きつづけたウワディク。1942年、絶滅収容所への移送から逃れた彼は、ゲットー内に潜みひたすら終戦を待つ。支援者も失い、廃墟のようなワルシャワの街で食べ物を求めてさまよい歩く日々。しかしソ連軍の砲撃の音も聞こえ始めた頃、ウワディクはドイツ人将校に見つかってしまう。

(原作は、戦後間もない時期に書かれたウワディスワフ・シュピルマン『戦場のピアニスト』藤泰一 訳/春秋社/2003。)




ソフィーの選択 /監督・脚本:アラン・J・パクラ/出演:メリル・ストリープ、ケビン・クライン/米1981/151分
戦後、NYへやって来た作家志望のスティンゴは、同じアパートに住むユダヤ人のネイサン、アウシュビッツにいた経験のあるポーランド人ソフィーと親しくなる。酔ったネイサンが荒れてアパートを飛び出すとソフィーは不安定になりスティンゴを頼る。振り回されながらもスティンゴは二人に惹かれていく。二人が語る昔話から、アメリカへ来て知り合ったネイサンとの関係など、ソフィーの過去が徐々に明らかになる。

(父親の話や収容所で「選択」しなければならなかったことなど、ソフィーが背負っている重い過去が中心ですが、原作は(読んでません)結構長いので、かなり省かれたり変えられたりしているのではないかと思います。ウィリアム・スタイロン『ソフィーの選択 上・下』、新潮文庫から出ています。)




太陽の雫 /監督、脚本:イシュトヴァーン・サボー/出演:レイフ・ファインズ、ローズマリー・ハリス、ジェニファー・エール/加・ハンガリー 1999年/181分
ハンガリーのユダヤ人ゾネンシャイン一族の物語。フランツ・ヨーゼフ帝時代、祖父イグナツは出世を望んでユダヤ人の姓ゾネンシャインを捨て、20世紀初め、息子アダムはフェンシングでの成功を望みカトリックに改宗して将校クラブに入りベルリン・オリンピックで優勝。第二次大戦後、孫イヴァンは父の復讐のためファシスト狩りの先頭に立つがやがて権力闘争に巻き込まれていく。

(「同化」を強いて名や宗教を捨てさせる社会の、ホロコースト以前・以後が描かれています。19世紀末からハンガリー動乱後までと長いのですが、レイフ・ファインズがうまく一人三役(祖父・父・孫)を演じているのであまり混乱せずに観ることができると思います。)




地下水道 /監督:アンジェイ・ワイダ/脚本:イエジー・ステファン・スタヴィンスキー/出演:タデウシュ・ヤンツァー、テレサ・イジェフスカ/ポーランド1956年/96分
1944年9月、ワルシャワ。蜂起は56日目、敗色濃厚となり中隊長ザドラは43名全滅を避けるため撤退命令を受ける。多くの死者を出しながら守ってきたその地を捨てること、敵に包囲されている中央区まで下水道を通って行くことにザドラも部下も納得がいかないまま、司令部の命令に従い、暗く狭い下水道に降りる。しかし闇の中をさまよううち、疲労、酸欠、絶望から、隊員たちは正気を失っていく。

(アンジェイ・ワイダの「抵抗」三部作のひとつ。崩壊する建物、廃墟のような街が生々しく、ドキュメンタリーのようでした。『第三の男』で見たウィーンの下水道は広くて行き来が結構簡単そうに思えたのですが、ワルシャワの下水道は狭くて「道」というより大きな「管」という感じ。重苦しさから下水の臭いまで届きそうな映画です。)




灰とダイヤモンド /監督:アンジェイ・ワイダ/脚本:イエジー・アンジェウスキー、A・ワイダ/出演:ズビグニエフ・チブルスキー、エファ・クジイジェフスカ/ポーランド1958/104分
1945年、ポーランド。対独地下活動をしてきたマチェクとアンジェイは終戦を迎えた。しかしソ連の傀儡政府を倒すため、組織は再び地下へ。ロシアから帰国した共産主義者の暗殺の指示を受けた二人は、標的の県委書記シチュカを殺害する。しかしそれがまったくの別人とわかり振り出しにもどってしまう。その夜、偶然同じホテルにシチュカが宿泊客として現れ、マチェクは再び殺害の機会をうかがう。終戦で浮かれる人々と対照的に、ホテルのバーで働く女との恋を通して、学生であった頃のこと、将来のことを想うマチェク。活動に迷いを感じながらも、誤って殺してしまった市民のことを考えるとテロ続行以外の道を選ぶことが出来ない。

(アンジェイ・ワイダの「抵抗」三部作のひとつ。原作はアンジェイェフスキ『灰とダイヤモンド(上・下)』川上洸 訳/岩波文庫。)




バティニョールおじさん /監督、脚本:ジェラール・ジュニョ/出演:ジェラール・ジュニョ、ジュール・シュトリック/仏2002/103分
1942年、夏。パリはドイツ軍の手に落ちていた。ドイツ軍はフランス国民に対しユダヤ人の一斉検挙の協力を要求する。ユダヤ人たちが次々とスイスへ逃亡する中、ユダヤ人外科医であるバーンスタイン一家は隣人バティニョールの娘婿であるナチス・ドイツ支持者ピエール=ジャンの密告によって検挙され、バティニョールは図らずして摘発に協力してしまうことになる。ドイツ軍のスプライヒ大佐に対する協力がもとでピエール=ジャンはドイツ占領軍の公式な委員としてバティニョールを任命し、軍に没収されたバーンスタイン家の大きなアパートもバティニョール家に譲られることになった。 ある晩、ドイツ軍後援者のためのレセプションを催すことになったバティニョールが客人を出迎えに玄関のドアを開けてみると、そこにはバーンスタイン家の息子である12歳のシモンが立っていた。(公式サイトより)



遥かなる帰郷 /監督:フランチェスコ・ロージ/脚本:F・ロージ、ステファーノ・ルッリ/出演:ジョン・タトゥーロ、マッシモ・ギーニ、ステファノ・ディオニジ/伊・独・仏・スイス1996/118分
1945年1月27日、ロシア軍によるアウシュビッツ解放。プリーモはいったん脱いだ囚人服を探し出し「証拠として」再び身に付ける。故郷イタリアへ戻ろうとするが、乗車した列車は北のクラクフへ向かっていると知り、下車。ロシア軍の捕虜収容所などを転々としながら、途中、様々な「仲間」と出会う。解放以来、なぜ自分が生き残ったのか、苦悩に生きるダニエーレ。収容所で親衛隊員に体を売り食べ物を得ていたと責められる女性。アウシュビッツから解放されたユダヤ人たちが、ポーランド、ロシアをたらい回しにされながら、終戦をはさみ、故郷へ帰るまでの長い旅。

(プリーモの囚人服には黄色の三角と赤の逆三角が重ねて付けられていることから、彼が政治囚のユダヤ人であることがわかります。ラストの、トリノの家に戻ったプリーモが整然とした美しい部屋でペンを持ち、「証拠」の囚人服を前において「こういうことが現実にあったのだ」と書き始めようとします。原作『休戦』プリーモ・レーヴィ/竹山博英 訳/朝日新聞社/1998。アウシュビッツから生還し、収容所の物語を書いた彼は、しかし、1987年にトリノの自宅で飛び降り自殺しています。)



ヒトラーの贋札  /監督・脚本:ステファン・ルツォヴィッキー/出演:カール・マルコヴィクス、アウグスト・ディール、デーヴィト・シュトリーゾフ/独・オーストリア2006/96分
各地の収容所からザクセンハウゼン強制収容所へ集められた印刷技師、画学生、贋札製造犯などの「技術者」たち。彼らは収容所内に作られた秘密工場で、英国経済の混乱を狙った「ベルンハルト作戦」のため、大量の贋ポンド札を作るよう命じられる。彼らは生きるために完璧な贋札作りをしながらも、戦況をナチスに有利にさせ、収容所にいる家族や恋人を苦しめ続けることに葛藤、苦悩する。

(2008年アカデミー賞外国語映画賞受賞。原作はアドルフ・ブルガー『ヒトラーの贋札 悪魔の工房』。)



ふたりのトスカーナ /監督、脚本:アンドレア&アントニオ・フラッツィ/出演:イザベラ・ロッセリーニ、イェルーン・クラッベ、ヴェロニカ・ニッコライ、ラーラ・カンポリ/伊2000/102分
1943年の夏、第2次世界大戦下のトスカーナ地方、フィレンツェ郊外。自動車事故で両親を失ったペニーとその妹ベイビーは、音楽と芸術を愛するユダヤ系知識人アインシュタイン氏と結婚した、イタリア人の伯母ケッチェンが暮らす田舎の屋敷に引き取られた。そこには夫妻とその娘のマリーとアニー、メイドのエルサとローサたちが暮らしており、屋敷には画家のマヤおばさん、その夫のアルトゥロ、アニーにピアノを教えているピット先生など、大勢の人が出入りしていた。(公式サイトより)

(原作はロレンツァ・マッツェッティの自伝的小説『ふたりのトスカーナ』(原題:Il cielo cade/空が落ちる)竹書房文庫/2003。)



ベント /監督:ショーン・マサイアス/脚本:マーティン・シャーマン/出演:クライヴ・オーエン、ロテール・ブリュトー/英1997/116分
1934年6月、ベルリン。恋人の青年と同棲しながらも、クラブで知り合った突撃隊の青年と関係を持ったマックス。しかし翌朝、親衛隊が彼の部屋に乱入、突撃隊の青年を惨殺する。その場から逃げ出したマックスらは、前夜突撃隊が粛清されたこと、殺された青年がレーム腹心の部下の愛人であったことを知る。国外逃亡を計画するがすぐに捕らえられ、収容所行きの列車に乗せられてしまう。列車の中で、収容所では同性愛者が最下層に置かれ、他の囚人よりも重労働を課せられ虐待されていることを知ったマックスは、ピンクの三角ではなく黄色の星(ユダヤ人の身分)を手に入れ、「最悪の事態」から逃れる。しかし、収容所で彼の身を案じてくれた「ピンクの三角」の青年に、次第に惹かれていく。

(プロイセン刑法では同性愛は、1851年以降死罪が廃止されたものの禁固刑に処せられ市民権が剥奪されたそうです。この法は1871年のドイツ帝国成立後もそのまま、同性愛者を取り締まる刑法175条として残り、レーム粛清事件の1年後にはナチスにより「改正」された175a条が公布されました。戦後もそれは変わらず、東西ドイツで同性愛が犯罪でなくなるのは60年代後半になってから。この作品は1979年にロンドンで上演された舞台劇で、その後NYブロードウェイでも上演されているそうです。映画も、冒頭のキャバレー(?)のシーンは一瞬ミュージカルか何かのようだし、リアリズムにはこだわらなかった「舞台作品」的。)




謀議 CONSPIRACY /監督:フランク・ピアソン/脚本:ロリング・マンデル/出演:ケネス・ブラナー、スタンリー・トゥッチ、コリン・ファース/米・英2001/96分
1942年1月20日、ベルリン郊外ヴァンゼー湖畔にある屋敷に、政府、党各部署から15名が集まった。ニュルンベルク法により「解決」済みであったユダヤ人問題が東方占領区の拡大により再燃、「最終的解決」を確認する会議を開く。

(TV映画のため、演出過剰にならず淡々と進んでいきます。カメラも会議室からほとんど動かないので映画としては退屈かも。ヴァンゼー会議を知らない人には面白くも何ともないのでは、と心配してしまうほどです。
  会議の中心人物ハイドリヒについて。
1904年に音楽家の息子として生まる。バイオリンの名手であったが18歳で海軍に入り、1926年に海軍情報・通信将校となる。1931年ナチスに入党、親衛隊保安情報部を任される。ヒトラーのドイツ国籍取得の工作で功績をあげ、多くの謀略、事件に関与し昇進していった。障害者の安楽死・強制断種案(T4作戦)にも関わっている。1941年9月、ベーメン・メーレン保護官代理としてプラハに着任、その後数週間でチェコの抵抗組織を壊滅状態にしたが、1942年5月、元チェコ軍下士官に手榴弾で襲撃され、6月4日に38歳で死亡。アーリア系の容姿から「ブロンドのジークフリート」と呼ばれた。他に「ブロンドの野獣」「プラハの死刑執行人」など、あだ名多数。)




マイ・リトル・ガーデン /監督:ソーレン・クラウ・ヤコブセン/出演:ジョーダン・キズック、パトリック・バーギン、ジャック・ワーデン/独・英・デンマーク1997年/107分
父、伯父とポーランドのゲットーで暮らす少年アレックス。度重なる「選別」から逃れていたが、ついに全住民が移送されることになり、連行される。ゲシュタポの隙を見て逃げ出したアレックスは、父親の「必ず戻るから待っていろ」、伯父の「いつまでも必要なだけ隠れて待て」の言葉に従い、人気のなくなった遊び場の瓦礫の間に身を隠す。ゲットー内の空家をまわりながら食べ物を探し、崩れかけたアパートの2階に隠れ家を作り、父親が迎えに来るのをひたすら待つ。しかしゲットーが取り壊されポーランド人のための土地として解放されることになる。偶然知り合った地下抵抗組織の人間に「一緒に来るか?」と聞かれた時も、「外」で知り合った少女と母親に「疎開先へ一緒に行きましょう」と誘われた時も、「必ず戻る」という父親の言葉がアレックスを危険な場所にしばりつける。

(オリジナル・タイトルは『The Island on Bird Street』。ゲットーという無人島で助けが来るのを待ち続ける少年の物語です。原作は『壁のむこうの街』(ウリ・オルレブ/久米穣/偕成社/1993)、フィクションですが、作者のオルレブはワルシャワ・ゲットーで暮らし、ベルゲン・ベルゼン強制収容所へ送られており、これらの体験からこの物語が生まれたのだと思います。)




ライフ・イズ・ビューティフル /監督:ロベルト・ベニーニ/脚本:ヴィンセンツォ・セラミ、R・ベニーニ/出演:R・ベニーニ、ニコレッタ・ブラスキ/伊1998年/117分
1939年イタリア。ユダヤ系のグイドは美しい娘ドーラと出会い恋をする。会うたびに「魔法」を使う心優しいグイドにドーラも惹かれていき、親の望む縁談を振り切りグイドと結婚。二人は息子ジョズエをもうける。しかしこの頃からファシズムの影が街にも忍び寄ってくる。ユダヤ系のために差別を受けながらも、自分の店を持ち、平和に暮らしていた三人だったが、ある日突然グイドとジョズエはナチスに連行され強制収容所行きの列車に乗せられる。追いかけてきたドーラも自ら列車に乗り込み、家族とともに収容所へ。グイドは幼い息子に「これは全部ゲームなんだ」と嘘をつき、ナチスからも絶望からも守ろうとする。



ルシアンの青春 /監督:ルイ・マル/脚本:L・マル、パトリック・モディアノ/出演:ピエール・ブレーズ、オーロール・クレマン/仏・伊・西独1973年/140分
ナチス・ドイツ占領下のフランス。目的も甲斐もなく病院で働く少年ルシアンは「何かがしたい」と、レジスタンス組織に近づくが拒否される。その後ゲシュタポに拾われるように入り込み、そこでレジスタンス組織摘発の仕事をするようになる。人々が自分をおそれることを得意になるルシアン。しかし、パトロール中に知り合ったユダヤ人の少女に恋をし、初めてものごとを自分で考えるようになった彼は、彼女を連れて逃げる。


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